「マネジメント - 基本と原則 」P・F・ドラッカー
- 作者: ピーター・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: 単行本
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ビジネス書界の大御所、ピーター・F・ドラッカーの大作「マネジメント−課題・責任・実践」の抜粋版。
マーケティング、財務、人事といった機能での専門書ではなく、マネジメントという横串でみた書物は、当時は画期的だったそうです。
マネジャーというものは、ややもすると、年功序列あるいは仕事の成果をきっかけとして、組織内で徐々に到達していくひとつの“段階”のように見えてしまいます。そこに基本といったものがあると気づかない。
しかし、ドラッカーはいわば本物のマネジメントとはなんぞや、マネジャーの本質とはなんぞやといった視点でマネジャーという仕事を浮き立たせていきます。その証拠に、この本で取り上げられるマネジャーは、必ずしも民間企業に限られません。公的機関やNPOまでが含まれます。
マネジャーの役割は、①部分の総和より大きな生産体を創造すること②決定・行動において直近のものと将来のものを調和させていくこと、だそうです。
本書は直接的なノウハウ本ではありませんが、そういった方法論やマインド本を読む前の、客観的な状況把握のために有効でしょう。また、組織というものの中におけるマネジャーの意味合いを理解することは、マネジャー以外の人間にも有益な行動指針になると感じました。
ただ、本書は抜粋版のため、速く読めるメリットはあるのですが、逆に各部分がかなり軽い言及になってしまっているふしもあり、結果として深みに欠ける(あるいは理解するのにかえって時間がかかる)印象を持ってしまいました。あくまで、イントロとして読むと良いと思います。
また、個人的には、ドラッカーの書物は好きとはいえません。それは内容に欠陥があるというわけではなく、単に、古いからです。やっぱり白黒映画よりはカラー映画のほうが、好きなんです。
印象点:★★★☆☆
映画に例えるなら、その影響力は計り知れない映画界の揺ぎ無き大御所、ヒッチコックが撮った、バランスの取れた傑作「北北西に進路を取れ」の満足度でしょうか。